なつかしきネガポジ、考察。

むかし。ネガポジという概念がつきまとっていたころのことを思い出してみた。

透明な4枚のフィルム。C版、M版、Y版、K版
ライティングデスクで4枚重ねて、
版ずれだの、抜き乗せだの、
モノクロのフィルムを前に、目を凝らして仕上がりの色を想像するという
意味のわからない作業。

そのフィルムを作る工程。

暗がりの現像室って想像できます?
簡単に言っちゃえば ようは洞窟。
作業が終わって暗室から出てきた時は
日の光がまぶしくて辛いんですよ。

さて作業です。
まず、フィルムの現像液の準備から。
液は現像液と定着液の2液あり、現像液はすぐにダメになるので
できるだけ直前、そして素早く準備しなくちゃなりません。(アセアセ

ポリタンクから必要な分だけの溶液2種類を
でっかいトレイにそれぞれ流し込みます。

ものすごい強烈な香りを放つ現像液。
手には、分厚い手袋にでっかいピンセット
透明なフィルムを傷つけないように
版のなさそうな端っこを慎重につまみ
ユラユラすると
少しづつ現れる版下。

ユラユラしすぎると、細かい文字が飛んじゃったりして。
早く取り出しすぎると、抜けちゃったりして。
やり直しにめちゃ費用がかかるから失敗が許されない。
その上、薬液は有害な上、印刷物は面積が大きい。
本当はマスク+ゴーグルじゃね、ってくらいの
目にしみる臭い。

程よいところで、サッと液から取り出して
定着液に移して、うまくいったのかドキドキしちゃって。
それを洗濯バサミでロープに吊るして、乾くのを待つ。

今となっては考えられないほど面倒くさいね。
今もそれって生きてるんだろうか。

ついでに余談ですが、
そのフィルム、その後どうなるか、まだまだ印刷できないんですよ。
気になるようでしたらぜひ続きを。

次の作業が製版です。

完全に乾いたフィルムを特殊な鉄板に焼き付ける作業です。

バカでっかい圧縮機のような機械。
階段を上って恐ろしく大きなガラスの蓋を開け、フィルムを絶対ずれないようにセットして
蓋をする。空気でずれないように慎重に。
階段を降りて、同じサイズの薬液が付いている鉄板をストックから取り出し
下の鉄板をセットする位置に、これまたずれないようマーキングされた場所に設置。

飛行機のようなスイッチを3つくらいパチンパチンとオンすると
ブルン、ブルン、ブルブルブルブル、ブブブブブブブーッ(圧縮のメーターがみるみる上がる)
今じゃ考えられない騒音を立てて圧縮が完了すると
強烈な光を放ち(←目がやられる、絶対見ちゃダメなやつ)、焼き付けが始まります。

ビーーーーッ!!!
これまたばかでかい音で、鉄板への焼き付けが完了ブザーが鳴り
強烈な光がパッと消えます。

下の鉄板を取り出して、暗室から外へ。
(これでフィルムの役割は終わり)
洗い場に行き、これまた猛毒ちっくな液体を鉄板全体にかけ
専用のスポンジで優しくこすると
銀色の鉄板に、みるみる青い色素が現れ
絵柄やデザインが浮き上がってきます。

この液体、なんて言ったか忘れちゃったけど
ものすごく有毒で、病気になった人が多くいたとか。。。
衣服につくと、絶対取れないやつでした。

この鉄板をまたまた昔の洗濯物のようにロープに
洗濯バサミで干しまして
乾いたら
やっと印刷機にセットします。

いやはや。。。
こうして記録してみると、
書くだけでもものすごく大変ですね。
こんな大ごとを当たり前のようにやっていた時代がありました。
 
なんだか温くて、人間臭い。なつかしき超アナログ時代。

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